バッキンガム宮殿とは?歴史・見どころ・アクセスガイド

バッキンガム宮殿は、英国王室の公式邸宅として世界的に知られる建物です。その歴史は意外と複雑で、現在のような姿になるまでに300年以上の歳月と、何度もの大規模改築を経ています。
バッキンガム宮殿の歴史と基本情報

現在の宮殿の場所に最初の建物が造られたのは1703年。バッキンガム公爵ジョン・シェフィールドが建てた「バッキンガム・ハウス」と呼ばれる邸宅がその始まりです。
この建物を1761年に購入したのが、国王ジョージ3世です。王妃シャーロットのための家として使われたことから「クイーンズ・ハウス」の愛称で呼ばれ、ジョージ3世の15人の子どものうち14人がここで生まれました。
宮殿として本格的に生まれ変わるきっかけを作ったのは、次の国王ジョージ4世です。1820年代後半、建築家ジョン・ナッシュに大規模な改築を依頼し、現在の宮殿の骨格を形成しました。ただしナッシュは予算を大幅に超過したことで途中解任され、最終的にはエドワード・ブロアが工事を引き継ぎ完成させています。
1837年、ヴィクトリア女王の即位とともに、バッキンガム宮殿は英国王室の正式な公式邸宅となりました。ヴィクトリア女王は「部屋が足りない」とも感じており、1847年には東側の翼棟(イーストウィング)が増築されます。あのバルコニーも、この時代に加えられたものです。その後1913年、ロンドンの大気汚染で外壁が黒ずんだことなどから、現在の白い石灰岩仕上げに改修され、今日の姿になりました。
第二次世界大戦中には、ドイツ軍の爆撃によって宮殿の礼拝堂が破壊されました。当時の国王ジョージ6世と王妃エリザベス(後のクイーン・マザー)は疎開せずロンドンに留まり続け、戦時下の市民と連帯する姿勢を示したとして今も語り継がれています。礼拝堂の跡地に建てられたのが、現在のキングズ・ギャラリーです。
Netflixドラマ『ザ・クラウン』はバッキンガム宮殿を舞台にしたシーンが数多く登場しますが、実際の宮殿での撮影は行われていません。主に使われたのはランカスター・ハウスやイーリー大聖堂など、別の建物です。ロケ地を巡る楽しみ方もロンドン観光のひとつです。
見どころ

外観・前庭エリア
入場チケットがなくても、バッキンガム宮殿の正面ファサードと前庭エリアは自由に見学できます。宮殿前に建つヴィクトリア記念碑(1911年完成)は写真スポットとしても人気で、ザ・マルと呼ばれる並木道の先に宮殿が広がる眺めは、ロンドンを代表する景色のひとつです。
宮殿に掲げられる旗にも注目してみてください。国王が宮殿に滞在中は「ロイヤルスタンダード(王室旗)」が、不在のときはユニオンジャックが掲げられます。
衛兵交代式
バッキンガム宮殿の名物といえば、真っ赤な軍服と黒い熊皮帽子が印象的な衛兵交代式。宮殿の前庭(フォアコート)で行われるこの式典は、年間を通じて開催されますが、実施日程は月によって異なります。式の流れや見学スポットの詳細は、専用記事をご覧ください。
トゥルーピング・ザ・カラー
毎年6月、国王の公式誕生日を祝う伝統的な軍の儀式です。バッキンガム宮殿を出発しザ・マルを経由するパレードにはロイヤルファミリーも参加し、フィナーレには宮殿のバルコニーに王室メンバーが集います。上空ではRAF(英国空軍)によるフライパストも行われ、見どころが多い一大イベントです。
ステートルーム(夏季一般公開)
毎年夏の約2ヶ月間だけ、宮殿の内部が一般に公開されます。国賓をもてなす豪華な19の部屋を、日本語のマルチメディアガイドを聞きながら見学できるセルフツアー形式です。現役の王宮の内部を自由に歩ける機会は世界的にも非常に珍しく、ロンドン観光の中でも特別な体験のひとつです。見どころやチケット情報の詳細は、専用記事で詳しく解説しています。
キングズ・ギャラリー&ロイヤル・ミューズ
宮殿に隣接する2つの施設も見逃せません。キングズ・ギャラリー(旧クイーンズ・ギャラリー)では英国王室所蔵の美術品や工芸品を、ロイヤル・ミューズでは歴代の王室馬車や車両を見学できます。どちらも徒歩2〜3分圏内にあり、それぞれ個別チケットが必要です。バッキンガム宮殿エリアをまるごと楽しみたい方はあわせて計画するのがおすすめです。
行く前にチェック!アクセス&基本情報

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