ウェストミンスター寺院の見どころ・チケット予約【世界遺産】

この記事では、ロンドンにある世界遺産「ウェストミンスター寺院」について、2023年観光時の見どころやチケット予約など、訪問前に知っておきたい情報を紹介しています。

1. ウェストミンスター寺院とは?

ウェストミンスター寺院の外観アップ

英語表記:Westminster Abbey

「ウェストミンスター寺院」とは、征服王ウィリアム1世(戴冠1066年)以来、戴冠式が行われてきたイングランド国教会の教会のこと。

ヘンリー3世によって1245年に再建された現在の寺院は、イギリス有数の重要なゴシック建造物としても知られ、ビッグベンで有名なウェストミンスター宮殿とともにユネスコ世界遺産に登録されています。

毎年100万人以上が訪れるロンドンを代表する観光名所であるウェストミンスター寺院は、歴史と文化に興味がある人にとって必見の観光スポットで、特に、イギリス王室の歴史に興味がある人には、ぜひ訪れていただきたい場所のひとつです。

数々の歴史的な王室行事が開催

ウェストミンスター寺院は、戴冠式だけでなく、数多くの王室の結婚式や葬儀、国家の祝祭や記念式典が行われてきた場所でもあります。

【近年開催された王室行事】

偉人が眠る場所

ウェストミンスター寺院は、イギリスの王族や偉人の多くが永遠の眠りにつく墓がある場所でもあります。

13~17世紀の君主ほか、アイザック・ニュートンやチャールズ・ダーウィン、宇宙物理学者のスティーブン・ホーキングほか、英国を代表する詩人や作家、戯曲家、俳優などが、寺院内の至るところに埋葬されています。

ちなみに、2022年に崩御されたエリザベス2世の埋葬地は、ウィンザー城のセント・ジョージ・チャペルです。 

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2. 観光時の見どころは?


ここからは、ウェストミンスター寺院を訪れる際に注目したい、寺院内の見どころを紹介しています。

広い寺院内には重要そうな彫刻や装飾が至るところにあり、見学中はどこに注目すれば良いのかわからなくなる程ですが、入場時に貰える日本語のオーディオガイド(入場料に含まれる)があるので、ガイドに沿って各自のペースで順路を進みましょう。

この項目では、オーディオガイドにはないエリアも紹介しているので、見学当日はぜひ参考にしてみてください(↑見どころの位置や順路は地図内でも確認できます)。

Memo

※寺院内ではフラッシュなしの写真撮影が許可されていますが、礼拝が行われている時は撮影禁止となるのでご注意を。*動画撮影、セルフィースティックの利用は禁止です。

見学にかかる時間は2時間が目安。

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① エリザベス女王の窓

ウェストミンスター寺院のエリザベス2世の窓
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英語表記 The Queen’s Window

史上最長在位の君主であるエリザベス2世(現英国女王)を祝い、英国の芸術家デイビッド・ホックニーがデザインしたステンドグラス (2018年9月)

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② クワイア

ウェストミンスター寺院の聖歌隊席
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英語表記 Quire

聖歌隊席。
もともと修道士たちが礼拝を行っていた修道院の一部だったのが、1540年にヘンリー8世によって修道院が解散されたことにより、その機能が変更。

現在の聖歌隊席は19世紀のもので、ヴィクトリア時代のゴシック様式。
設計はエドワード・ブロアによるもの。

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③ 主祭壇とコスマテスク装飾の床

ウェストミンスター寺院の主祭壇とコスマテスク装飾の床
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英語表記 High Altar and Cosmati Pavement

2023年5月6日に執り行われたチャールズ3世の戴冠式のセレモニーで、国王が王冠を授けられた場所。

コスマテスクの床は、ヘンリー3世の君命により制作が始まり1268年に完成。
モザイクの技法で彩られたこの床は、約7.5メートル四方に絡み合うような模様が広がり、紫の斑岩や黄色い石灰岩などが用いられている。

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④ レディ・チャペル

ウェストミンスター寺院のレディ・チャペル
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英語表記 Lady Chapel

装飾の施された扇形天井が素晴らしいチャペルは、イエス・キリストの聖母マリアに捧げた礼拝堂。

祭壇の後ろには、礼拝堂の建築を命じたヘンリー7世とその王妃エリザベス・オブ・ヨークが埋葬されています。

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⑤ ポエッツ・コーナー

ウェストミンスター寺院のポエッツ・コーナー
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英語表記 Poet’s Corner

ポエッツ・コーナーとは、英国の有名な詩人などの墓や追悼碑があるエリアのこと。

【注目の墓や追悼碑】

  • ウィリアム・シェイクスピア(劇作家、詩人 / 追悼碑)
  • ジョン・ミルトン(詩人)
    代表作「失楽園」
  • ジェフリー・チョーサー(詩人)
    代表作「カンタベリー物語」
  • ジェイン・オースティン(小説家 / 追悼碑)
    代表作「高慢と偏見」
  • ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(作曲家)
    ドイツ生まれでイギリスに帰化、代表作はオラトリオ「メサイア」
  • サミュエル・ジョンソン(文学者)
    「ロンドンに飽きたものは人生に飽きたものだ」
  • チャールズ・ディケンズ(小説家)
    代表作「オリバー・ツイスト」
  • ローレンス・オリヴィエ(俳優)
    英国の最も権威あるローレンス・オリヴィエ演劇賞の名となっている20世紀の名優

この他、シェイクスピアの記念碑のそばにある13世紀に描かれた2つの壁画にも注目です。

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⑥ 回廊・中庭

ウェストミンスター寺院の回廊
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英語表記 The Cloisters

クロイスターは、13世紀から15世紀にかけて主に建設され、瞑想や運動、そして主要な修道院建物へのルートとして使用されていた回廊。

修道士たちが多くの時間を過ごした、寺院の中でも最も活気のある場所の1つで、当時は窓の上部がガラス張りで下部が開いていたため、冬季には藁や干し草、夏季には敷物が敷かれ、壁には絵画が飾られ、屋根からはランプが吊り下げられていたのだとか。

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⑦ チャプター・ハウス

ウェストミンスター寺院のチャプターハウスへの通路
チャプターハウスへ続く通路 / ©TanksLondon.com

英語表記 Chapter House

ヘンリー3世による修道院再建の一環として13世紀に修道院再建の一環として建てられ、修道士たちが集まって祈りや議論などが行われた場所。

内部は直径18メートルで、天井には中央柱があり、壁には黙示録の場面が描かれた壁画があります。
入り口には聖母マリアと大天使ガブリエルの像があり、床には中世のタイルが敷かれています。

Memo

2023年4月8日~9月30日、チャプターハウスでは、千年に渡り行われてきた戴冠式とその儀式を紹介するエキシビションが開催。
*このエキシビションの見学はウェストミンスター寺院の入場料に含まれます。

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⑧ ピクス・チェンバー

ウェストミンスター寺院のピクス・チェンバー
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英語表記 Pyx Chamber

「ピクスチェンバー」は、ウェストミンスター寺院の最も古い建物の一つで、1070年に建てられた修道士の寝室の下にあるアンダークロフトの一部。

12世紀に壁で仕切られ、13世紀には宝物庫に変えられました。
また、13世紀のヘンリー3世の時期には、サクリスティとしても使用された可能性があります。

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⑨ 戴冠式の椅子

ウェストミンスター寺院の戴冠式の椅子と見学する人々
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英語表記 Coronation Chair

戴冠式の椅子とは、エドワード1世 (1239-1307) の命により「スクーンの石」を納める為に作られた木製の椅子のことで、1308年以来、戴冠式で使用されてきたと言われています。

スクーンの石 (Stone of Scone / Stone of Destiny)とは、元来、歴代のスコットランド王が戴冠式の際に立っていた石のことで、エドワード1世が、1296年にスコットランドへ侵攻した際にイングランドへ持ち帰ったという古い歴史があります。

2023年5月6日に行われたチャールズ3世の戴冠式でもこの椅子が使用されました。

3. チケット予約について

ウェストミンスター寺院の建物
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ウェストミンスター寺院の観光入場チケットは「日時指定制」で「日本語対応のオーディオガイド」が入場料に含まれます。

戴冠式で注目される2023年は特に人気の観光地となるため、できる限り早めのオンライン予約がおすすめです。

【日本語で入場予約する】
チケットの概要をチェックする(GetYourGuide)

↑チケットが売り切れの場合、ウェストミンスター寺院の公式ページ(英語)ではまだ入手可能なことがあるのでチェックしてみましょう。

*ウェストミンスター寺院は、ロンドンパスエクスプローラーパスの利用対象施設です。

4. 最寄りの観光地とアクセス

パーラメント・スクエアから見たウェストミンスター宮殿(ビッグベン)とセントマーガレット教会(ウェストミンスター寺院)
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ウェストミンスター寺院周辺には、人気の観光地やイベントが沢山あります。

ぜひ、同時に訪れてみましょう。

歩くのが楽しいエリアなので、観光の際は履きなれた歩きやすい靴がおすすめです。

イギリスは天候が変わりやすいので、レインコートや折りたたみ傘もお忘れなく!

アクセス

地下鉄

  • ウェストミンスター駅よりすぐ(サークル、ジュビリー、ディストリクトライン)
  • ウォータールー駅より徒歩約10分(ノーザン、ベイカールー、ウォータールー&シティーライン)出口のサインはExit 6

バス

  • 148, 211, 12, 53, 159, 453, 3, 87 など

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