ビッグベンとは?ウェストミンスター宮殿の見どころ【世界遺産】
この記事では、ビッグベンで有名な世界遺産の建造物「ウェストミンスター宮殿」について、基本情報や見どころを紹介しています。
1. ウェストミンスター宮殿とは?
英語表記 – Palace of Westminster
建築様式 – ゴシック建築
建造年 – 1840年~1876年
設計:チャールズ・バリー、オーガスタス・ピュージン
ウェストミンスター宮殿とは 、ロンドン中心地のウェストミンスター地区にある世界遺産に登録されている建物で「英国の国会議事堂」のこと。
中世には王宮がありましたが、火事によりこの王宮の大半が焼失し、現在の建物は19世紀に再建されて以来、政治の中心地として数世紀にわたり使用されてきました。
現在でも建物の正式名は「ウェストミンスター宮殿」ですが、「国会議事堂 (Houses of Parliament)」と呼ばれることも多々。
でも、一番良く知られているのは「ビッグベン」という名前かもしれません。
2. ビッグベンの名前は一体どこから?
この記事を読んでいるあなたも、「ウェストミンスター宮殿」よりも「ビッグベン」と聞く方がしっくりくると思いますが、そもそも「ビッグベン」という名前は一体どこから来たのでしょうか?
———————————–
じつは「ビッグベン」とは、時計塔内にある高さ2.2メートル、13.7トンの「鐘の名前」です。
ウェストミンスターの町に時報を告げる大鐘のビッグベンは、「エリザベスタワー」という時計塔に収められていますが、時計塔自体を「ビッグベン」と呼ぶことが多く、イギリス人に愛される存在となっています。
エリザベスタワー概要
建造年 – 1843年~1859年
- 塔の高さ96m、幅12m
- 時計の文字盤は塔の4面にある
- 文字盤の直径は7メートル
- 長針の長さは4.3メートル
- 塔内には合計5つの鐘
エリザベス2世の在位60年を記念し、2012年に塔の正式名称が「エリザベスタワー」となりました。それ以前はクロックタワーとも呼ばれていましたが、やはり「ビッグベン」と呼ばれることが一番多かったと思います。
3. ウェストミンスター宮殿の見どころは?
テムズ川沿いから建物を眺め、写真を撮るだけでも大満足なウェストミンスター宮殿ですが、見どころはいろいろ。
以下、順に解説していきます。
鐘の音を聴いてみよう!
2017年からの修復工事以来、長期にわたり止まっていた鐘の音は、2022年11月に再開。
宮殿近くを訪れる際には、ぜひ鐘の音に耳を澄ませてみましょう。
ビッグベンツアーに参加すると、塔を登り、ビッグベンが鳴る瞬間を間近で見学できます
鐘の音は日本人にもおなじみ
エリザベスタワーには先ほど紹介した「ビッグベンの鐘」の他に「クォーターベル」と呼ばれる鐘が4つあり、15分ごとにクォーターベルのチャイム、毎時ビッグベンの鐘が鳴り響きます。
クォーターベルは、「ウェストミンスター・クォーターズ」と呼ばれるメロディを奏でるのですが、実は、このメロディは日本人にも馴染みがある「学校のチャイム」なのです。
クォーターベルのチャイムは5種類のメロディからできていて、15分毎に異なるメロディの組み合わせのチャイムが鳴ります↓
5種類のメロディ
- メロディ 1: G♯4, F♯4, E4, B3
- メロディ 2: E4, G♯4, F♯4, B3
- メロディ 3: E4, F♯4, G♯4, E4
- メロディ 4: G♯4, E4, F♯4, B3
- メロディ 5: B3, F♯4, G♯4, E4
15分ごとに鳴るチャイム(組み合わせ)
- 15分:メロディ 1
- 30分:メロディ 1 と 2
- 45分:メロディ 4 と 5 と 1
- 〇時ちょうど:メロディ 2 と 3 と 4 と5(学校のチャイムでお馴染み)
○時ちょうどの時には、チャイムが鳴った後にビッグベンの鐘の音 (E3)がその時間の数だけなります(5時なら5回、6時なら6回といった具合)
参考に、正午の鐘の音が聴けるYouTube動画を置いておきます↓
ビッグベンの見学ツアー
2023年7月より修復工事の終わったエリザベスタワーの内部見学ツアーが再開しました。
このBig Ben Tourでは、時計塔(エリザベスタワー)を登り、時計の機械仕掛けや文字盤、ビッグベンの鐘が鳴るところを間近で見学することができます。
塔内での撮影はできません。
ツアーは体力に自信がある人向け
このツアーでは、塔の最上階まで続く螺旋階段を334段登る必要があるため、それを自力で登ることができ、11歳以上であることが参加条件となります。
塔の修復工事により塔内にはエレベーターが設置されましたが、タワーの整備時などに使用され、見学ツアーの際の一般使用はできないようです。
ビッグベンツアーのチケット予約について
大人気のこのツアーはオンラインでの事前予約が必至です。
チケットは「毎月第2水曜日の現地時間午前10時」に、3ヶ月先の月の予約が可能となります。(例:2024年2月分のチケットは2023年11月8日に予約開始)
これまで毎月完売となっているため早めの予約がおすすめです。
ツアーの所要時間:90分
料金:大人 £25、11~17歳 £10(2023年11月時点)
予約:公式UK Parliamentウェブサイトへ
国会議事堂内の見学ツアーについて
エリザベス・タワーの見学ツアーとは別に、国会議事堂として使われているウェストミンスター宮殿内の見学ツアーも楽しめます。
内部には部屋が1100以上あり、階段は100カ所、11の中庭、200mにわたるリバーサイドテラスなど、外観だけでなく内部のスケールも一級です。
残念ながら、見学ツアーではその一部しか見ることは出来ませんが、歴史ある宮殿の内装や建築は一見の価値ありです。
【見学箇所の一例】
- 1834年の大火事を免れた「ウェストミンスター・ホール」 (1097年)
- Chapel of St Mary Undercroft (1297年)
- Jewel Tower (1366年)
- Cloisters of St Stephen’s (1529年)
- 庶民院 (House of Common)や貴族院(House of Lords)
2023年4月時点、UK Parliamentにより公式開催されている国会議事堂内部見学ツアーは、以下の4つ。
- オーディオガイド(日本語未対応)で巡るセルフツアー(90分間 / 有料)
- 専門ガイド(英語)と巡るツアー(90分間 / 有料)
- UKレジデンツ対象のガイドツアー(75分間 / 無料 )
- 国会議事堂内バーチャルツアー (無料)
4. アクセスと最寄りの観光地
【最寄り駅】
- ウェストミンスター駅(サークル、ジュビリー、ディストリクトライン)
- ウォータールー駅(ノーザン、ベイカールー、ウォータールー&シティーライン)
- ロンドンバス; 148, 211, 12, 53, 159, 453, 3, 87 など
【最寄り観光地】
ウェストミンスター宮殿周辺には、以下のような数々の主要観光地があるのでついでに訪れてみてはいかがでしょうか?
徒歩で巡るおすすめ観光モデルコースの記事もご参考にどうぞ。