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グリニッジ天文台見学ガイド|2026年版【本初子午線・見どころ・チケット情報】

「グリニッジ標準時(GMT)」という言葉は誰でも聞いたことがあるはず。でも、その基準点がどこにあるか、ご存知ですか? ロンドン南東部の丘の上に建つ王立天文台が、まさにその場所です。

350年前にここで始まった天文観測が、世界の時間と地図の原点を生み出しました。「天文学に詳しくないと楽しめないのでは?」と思う方も、ご心配なく。片足を東半球、もう片足を西半球に置く体験や、英国最大の屈折望遠鏡、穴場のカメラ・オブスクラなど、誰もが楽しめる見どころが揃っています。ロンドン屈指の眺望もおまけについてくる、中心部から少し足を延ばす価値がある場所です。

グリニッジ天文台とは?

グリニッジパークから見たグリニッジ天文台

グリニッジ天文台(英語名:Royal Observatory Greenwich)は、ロンドン南東部、グリニッジ・パークの丘の上に建つイギリス最古の科学機関のひとつです。ユネスコ世界遺産「マリタイム・グリニッジ」の一部にも登録されており、現在は天文学・航海・時間の歴史を伝える博物館として一般公開されています。

設立は1675年。大航海時代のヨーロッパでは、海上で船の東西位置(経度)を正確に測る方法がないことが多くの海難事故を招いていました。この「経度問題」を解決するため、チャールズ2世が天文観測の拠点建設を命じたのが始まりです。設計を担当したのはセント・ポール大聖堂でも知られる建築家クリストファー・レン(ロバート・フックと共同)。初代王室天文官ジョン・フラムスティードが1675年8月10日に礎石を置き、翌年から本格的な観測を開始しました。

その後200年にわたる天文学者たちの観測の積み重ねが実を結び、1884年の国際子午線会議でグリニッジを通る子午線が「世界の経度0度(本初子午線)」に正式採用されます。これが今日の世界標準時(UTC)の原型、グリニッジ標準時(GMT)の誕生です。

天文台は1948〜1957年にかけて観測活動をヘルストモンスー(イースト・サセックス)へ移転し、1998年以降は現在の博物館として運営されています。創設から350年以上が経った今も、世界の時間と地図の「原点」として毎年多くの来場者が訪れています。

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見どころガイド

グリニッジ天文台の裏庭

見学はSmartifyアプリ(無料・App Store / Google Playからダウンロード)のオーディオガイドを聴きながら進めるスタイルです。英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・簡体字中国語・広東語・韓国語の9言語に対応していますが、日本語オーディオは非対応です。利用する方はイヤホンをお忘れなく!

以下、主な見どころを紹介します。展示内容は変更になる場合があります。

Memo

現在、天文台では大規模改修プロジェクト「First Light」が進行中です(2025年秋着工・2028年春完成予定)。プラネタリウム(Peter Harrison Planetarium)とその建物は2025年9月から閉鎖中のほか、工事の進捗により今後も一時閉鎖が生じる可能性があります。訪問前に公式サイト(rmg.co.uk)で最新の開館状況をご確認ください。

グリニッジ子午線をまたぐ(Prime Meridian)

グリニッジ天文台にある子午線のクロースアップ
Photo: ©TanksLondon

英語表記: Prime Meridian

天文台の中庭・メリディアン・コートヤードには、一本のラインがあります。これが世界の経度と時間の出発点、本初子午線(経度0度)です。線をまたいで「片足が東半球、もう片足が西半球」の写真を撮るのが定番。夜間は子午線の方角へ向けてレーザーが照射されます。

この線の位置は、第7代王室天文官ジョージ・エアリーが精密望遠鏡を設置した地点で、1884年の国際会議でここが世界の基準と定められました。

Memo

現在、GPS等の現代技術に基づく国際標準子午線(IERS基準子午線)は、グリニッジの子午線から東へ約102メートルの位置を通っています。1984年に採用されたもので、天文台に刻まれた線とは厳密には一致しません。スマートフォンのGPSで現在地を確認してみると、そのわずかなずれを実際に体感できるかもしれません。

フラムスティード・ハウスとオクタゴン・ルーム

天文台で最も古い建物がフラムスティード・ハウスです。最上階のオクタゴン・ルーム(八角形の部屋)は1675年、クリストファー・レンが設計した空間で、高い天井と大きな窓は天文観測のための実用性と、国王を招き入れるための格式をあわせ持ちます。部屋に置かれたトンピオン製の精密時計(2台)は、初代天文官フラムスティードの観測を陰で支えた当時の最先端技術。現在も空間を彩るように展示されています。

ハリソンのタイムキーパー

机の上に置かれた古い本、時計、メガネ

経度問題に「時計」という別の角度から挑んだのが、木工職人出身の時計技士ジョン・ハリソン(1693〜1776年)です。

「タイムキーパー」とは、船が航海中に経度を割り出すために使う精密時計(マリンクロノメーター)のこと。当時の経度測定は主に天体観測に頼っており、天候や技術的制約から実用性に課題がありました。もし船上でも狂わない正確な時計があれば、出港地の時刻と現在地の太陽時を比べることで経度が求められます。しかし揺れ・温度変化・塩害にさらされる過酷な環境で精度を保つ時計の開発は大きな難題でした。ハリソンは数十年にわたりH1からH4まで改良を重ね、天体観測に依存しない実用的な手段を確立します。この成果は長距離航海の安全性を大きく高め、経度問題の解決に決定的な道を開いたと評価されています。

「Time and Longitude Gallery」では初代H1から4代目H4まで実物を間近で見ることができます。H5はロンドンの科学博物館(Science Museum)に展示されています。

タイムボール(毎日午後1時)

オクタゴンルームの屋根の上にあるタイムボール
Photo: ©TanksLondon

フラムスティード・ハウスの屋根に設置された赤い球「タイムボール」は、1833年から続く世界最初期の公共時報装置のひとつです。毎日午後1時に球が落下することで、かつてテムズ川に停泊する船乗りたちが航海用時計を正確な時刻に合わせていました。

落下前にゆっくりと球が上昇するので、ぜひ時間を合わせて訪れてみてください!

シェパード・ゲート・クロック

シェパード・ゲート・クロック
Photo: ©TanksLondon

天文台の門柱に設置された「シェパード・ゲート・クロック」は、1852年から稼働する24時間表示の電磁式時計です。時計技士チャールズ・シェパードが発明したこのシステムは、英国全土に標準時を送信する仕組みの「子時計」として機能し、1880年には国全体の時刻統一に貢献しました。このシステムが導入される前、英国の東西では30分もの時刻の差があったといいます。

カメラ・オブスクラ

カメラ・オブスクラへの順路表示
Photo: ©TanksLondon

中庭の一角に、見逃しがちな小さな建物があります。中にあるのはカメラ・オブスクラ。小さな穴から差し込む光によって外の景色を室内に映し出す、写真機の原型ともいえる光学装置です。

テムズ川・カナリーワーフ・国立海洋博物館を見渡すパノラマが投影され、グリニッジの景色をひと味違う形で楽しめます。公式ガイドでもトップ10入りしている見どころですが、素通りしてしまう方も多いので、ぜひ立ち寄ってみてください。

大型屈折望遠鏡(Great Equatorial Telescope)

玉ねぎ型のドームが目印の建物の中に収められているのは口径72cmの英国最大の屈折望遠鏡です。1893年にダブリンのGrubb社が製作し、当初は天体写真撮影のために設置されましたが、後に連星の研究に欠かせない機器となりました。現役を退いた今も実際に動く状態で保存されており、その迫力ある大きさに圧倒されます。


観光時は丘の頂上からの眺めも忘れずに!テムズ川・カナリーワーフの高層ビル群・グリニッジの街並みを一望できる、ロンドン屈指の景観スポットです。グリニッジ天文台への入場チケットは事前オンライン予約がおすすめです。

チケット&入場情報

グリニッジ天文台の入口
グリニッジ天文台の入口 / Photo: ©TanksLondon

グリニッジ天文台への入場にはチケットが必要です(アストロノミー・センターは無料)。週末や夏季は混雑するため、事前のオンライン予約がスムーズです。

おすすめの訪問時間はタイムボールが落下する午後1時頃ですが、混雑を避けるのであれば開館直後か午後3時以降が狙い目です。

訪問前に確認しておきたいこと

荷物・服装
  • 丘の上へは急な坂道あり → 歩きやすい靴がマスト
  • 公園内を歩くため、雨天時は足元に注意
  • 施設内に大型荷物の預かり場所なし → 身軽な装備で
  • Smartifyアプリを事前にダウンロードしておくとスムーズ(日本語非対応)
見学ルール・注意事項
  • 一部エリアは撮影禁止(案内表示に従う)
  • 大規模改修工事(First Light)進行中のため、訪問前に公式サイト(rmg.co.uk)で最新の開館状況を要確認
  • プラネタリウムとその建物は2025年9月から閉鎖中(2028年春に再開予定)

チケット予約はこちら

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カティ・サークもあわせて見学するなら、2施設セットのRoyal Museums Greenwich Day Pass (GetYourGuide)がお得です。ロンドン・エクスプローラーパス、ロンドンパスでも入場可能です。

行く前にチェック!アクセス&基本情報

グリニッジ展望台がある世界遺産マリタイム・グリニッジの町並み
世界遺産マリタイム・グリニッジの町並み / Photo: ©TanksLondon

ロンドン中心部からグリニッジへは、ウェストミンスターやタワーブリッジ近くの桟橋からテムズ川を下る観光クルーズ船を使うのもおすすめです。テムズ川の景色を楽しみながらアクセスでき、帰りはDRLで中心部へ戻るという組み合わせも人気です。

訪問情報

住所 Blackheath Avenue, London SE10 8XJ
アクセス DLR カティサーク駅 徒歩約15分 / グリニッジ駅(DLR・Overground)徒歩約15〜20分 / 観光船: グリニッジ桟橋下船後 徒歩約20分(丘登りあり)
見学所要時間 2〜3時間

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