ロンドン塔とは?見どころとチケット予約ガイド【世界遺産】

この記事では、世界遺産「ロンドン塔」の見どころを中心に、訪問の際に知っておきたいその歴史やチケット予約についても紹介しています。

1. ロンドン塔とは?

ロンドン塔の外観

英語表記:Tower of London
敷地:18エイカー
建造年:ホワイトタワー:1078年 / 内郭:1190年頃

東ロンドンのテムズ川沿いに位置する「ロンドン塔 」は、ユネスコ世界遺産に登録される城塞で、その歴史は約1000年に及びます。

最初の城塞は、イギリス王室の開祖である征服王、ウィリアム1世 (1027-1087) の命によりホワイトタワーが建設され、現在見られるロンドン塔は12~13世紀に増築されたものとなります。 

ロンドン塔はこれまで、要塞や王室の住居、武器庫、刑務所、宝物保管所、造幣局、動物園などの様々な用途で使われた歴史があり、現在では、その歴史を紹介する博物館として、毎年300万人近くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。 

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2. ロンドン塔の見どころ


1000年の歴史が詰まるロンドン塔の見どころは盛り沢山。

観光の際は、日本語対応のオーディオガイド(入場料とは別料金)を借りるとより楽しめると思います。

城内は広く、石畳や勾配も多いため、観光の際は歩きやすい靴で訪れましょう。

ヨーマンウォーダー

ロンドン塔内を歩くヨーマンウォ―ダ―
image credit; Gimas / Shutterstock.com

ロンドン塔を訪れた際に出会う「ヨーマンウォーダー (Yeoman Warders)」は、1400年代から現在に至るまで、ロンドン塔の守備にあたる、22年以上の軍歴をもつ正式な守備隊で「ビーフイーター (Beefeater)」の愛称でも知られています。

彼らは、ロンドン塔の案内役としても活躍しており、ロンドン塔を訪れた人々に、その歴史や伝説を語り継いでいます。

少々強面で近寄り難い雰囲気もありますが、話しかけてみると案外気さくで、一緒に写真も撮ってくれます。記念に一枚お願いしてみては? 

Memo

ヨーマンウォーダーズの住まいは、なんとロンドン塔内にあります。24時間毎日、ロンドン塔の守備にあたっているのです。敷地内には専用のパブ(非公開)もあります。

ヨーマンウォーダーのツアーについて

城内では、ヨーマンウォーダー(ビーフイーター)による見学ツアーに参加することができます。(入場料に含まれる) 

歴史や城内で起こった様々な出来事を沢山話してくれますが、英語のみでの解説となるのでご注意を。

  • ツアーは30分毎に開催
  • ツアーのスタート地点はロンドン塔の入場口付近
  • 予約不要
  • ツアーの所要時間は約20分

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ロンドン塔の動物オブジェ

ロンドン塔の入り口の様子

ロンドン塔内では、「ワイヤーで造られた動物のオブジェ」が見られますが、これは、13世紀頃~19世紀はじめ頃まで、ロンドン塔内で多くの動物が飼育されていたから。

13世紀には城内で野生動物が飼われ、その数は19世紀初めまでに60種類、280匹にものぼったのだとか。

当時の英国では珍しかったこれらの動物たちは、一般市民に公開されていた時期もありました。

ロンドン塔で飼育されていた動物の一例↓

  • ホッキョクグマ
  • バーバリライオン
  • アフリカ象
  • ヒョウ
  • ジャッカル
  • ハイエナ
  • サル
  • バブーン

ちなみに、トラファルガー広場にある4体のライオン像は、ロンドン塔のバーバリーライオン(絶滅危惧種)がモデルになったとも言われています。 

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反逆者の門と監獄

ロンドン塔のトレイターズ・ゲート(反逆者の門)
テムズ川からロンドン塔内へ通じるトレイターズ・ゲート

ロンドン塔は、エリザベス1世をはじめとする王族や、国会議事堂の爆破を企んだガイ・フォークスなど多くの人物が捕らえられ、時には拷問が行われた牢獄でもありました。

「反逆者の門」の意である「トレイターズ・ゲート」は、反逆者とされた多くの囚人達が、ロンドン塔に収監される際に通ったのだとか。

12世紀から20世紀の間には、王族や上流貴族などを含む約400人が処刑、暗殺がされた血塗られた暗い歴史もあります。 

ロンドン塔で処刑された王族メンバー例↓

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ジュエル・ハウス

ロンドン塔内のジュールハウス外観

ヘンリー3世の命により、1671年にロンドン塔内に建てられた「ジュエルハウス」は、王室の財宝(クラウン・ジュエル)を保管する宝物殿のこと。 

館内には、戴冠式で歴代国王がかぶる「聖エドワードの王冠 (St Edward’s Crown)」をはじめとするレガリア(日本の「三種の神器」のような存在)の数々に加え「2万3千点もの王室の財宝」が展示保管されています。

ジュエルハウスはロンドン塔内で一番人気の見どころで、長蛇の列となることが多いためご注意を。

【2023年5月26日より新エキシビション】

2023年5月6日に執り行われたチャールズ国王とカミラ王妃の戴冠式
それから20日後の26日より、戴冠式でのクラウン・ジュエルの歴史等を紹介する新しい展示がスタート!
*新エキシビションの見学はロンドン塔の入場料に含まれます。

ジュエルハウス見どころ

  • 聖エドワードの王冠 (St Edward’s Crown)
  • メアリー王妃の冠 (Queen Mary’s Crown)
    *カミラ王妃が戴冠式で戴いた冠
  • 大英帝国王冠(Imperial State Crown)
    *数々の公式行事で国王がかぶる王冠
  • エリザベス王妃の王冠 (Queen Elizabeth The Queen Mother’s Crown)

【コ・イ・ヌール】

エリザベス王妃(エリザベス2世の母)の王冠は、チャールズ国王の戴冠式にて、カミラ王妃が戴く冠となるとの憶測があった王冠です。

この王冠に据えられた「コ・イ・ヌール」と呼ばれるダイヤモンドは、インドがイギリスから独立して以来、所有権争いが未だに続いている問題の品。

2023年の戴冠式当日は、カミラ王妃の冠として「メアリー王妃の王冠」が使用されました。

【カリナンII】

大英帝国王冠の正面には、1905年に南アフリカで発見された、3106カラットの世界一大きなカリナン・ダイヤモンドからカットされた317.40カラットの「カリナンII」が据えられており、他にも2868個のダイアモンド、273個の真珠、17個のサファイア、11個のエメラルド、5個のルービーなど、非常に豪華な王冠です。

Memo

ジュエルハウス内での写真撮影は禁じられています。

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ホワイト・タワー

晴天の空とホワイト・タワー

ロンドン塔のホワイト・タワーは、1078年にウィリアム征服王によって建てられた、塔の中でも最も古い部分の一つです。

この建物は、かつては王宮、武器庫、そして刑務所として使用されていましたが、現在では、中世の武器や鎧、歴代国王の鎧などが展示される博物館となっています。

展示品の中には、400年前に当時の将軍の徳川秀忠からジェームズ1世に贈られた鎧兜(よろいかぶと)もあります。

王国を守るカラス

ロンドン塔のカラス

チャールズ2世 (1630-1685) の時代、ロンドン塔には多くのカラスが住みついていたのだそうな。 

駆除を考えた王が占い師に相談したところ、「カラスが去ったら王国は崩れ去る」との言葉を受け、6羽のカラスを城内で飼育することに…。

現在でもこの伝統は受け継がれ、ロンドン塔内には常時6羽(予備に1羽か2羽)のワタリガラスが飼育されています。  

それぞれのカラスには名前がつけられ、レイヴンズマスターと呼ばれるカラスの飼育専門のヨーマン・ウォーダーズがお世話しているのだとか。

ちなみに、遠くに飛んでいかないように「風切羽」と呼ばれる翼の後ろのほうにある羽を切ってあるとのこと。  

ホワイトタワーの麓には、カラス小屋があります。

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セレモニー・オブ・ザ・キーズ

夜のロンドン塔外観

「セレモニー・オブ・ザ・キーズ」とは、700年も続くロンドン塔のメインゲートに鍵をかける伝統儀式のことで、毎日21:53に始まります。

この伝統セレモニーは一般公開されており、事前にチケット予約することで見学可能です。ただし定員は40~50人程度で即完売となるため、リリース日のチケット予約がおすすめです。

観光客の多い昼間とは異なる、ロンドン塔内の特別な雰囲気を体験しにいってみては?

【開催&予約情報】

(2023年6月時点)

  • 開催日時 – 毎日21:30~22:05
  • 料金 – £5
  • 翌月分の予約開始 – 毎月はじめの平日(12pmから?)
  • 予約Experience the Ceremony of the Keysへ (公式Royal Palacesサイト)
  • 写真撮影禁止

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スーパーブルーム

ロンドン塔の堀に広がる花畑スーパーブルーム
©TanksLondon.com

「スーパーブルーム」とは、2022年のエリザベス女王在位70周年をプラチナジュビリーのお祝いとしてはじめられたイベントで、6~9月頃の期間限定でロンドン塔のお堀が草花でいっぱいになり一般公開されます。

2023年の開催は5月26日からで、見学はロンドン塔の入場チケットに含まれます。

3. チケット予約について

ロンドン塔の側にある入場チケット売り場

入場チケットには、「ヨーマンウォーダーのガイドツアー」や「スーパーブルーム(期間限定)」が含まれます。

世界遺産で人気の観光地のため、早めの事前予約がおすすめです。

【チケット予約】
チケットの概要をチェックする(GetYourGuide)


*ロンドン塔はロンドンパスエクスプローラーパスの利用対象施設です。

オーディオガイドのレンタルについて

日本語にも対応するオーディオガイドは別料金です。

当日、ロンドン塔入場後にある「Beefeater Shop」にてレンタルしましょう。

【2023年5月時点のレンタル料金】

  • 大人:£5
  • 子供:£4
  • ファミリー(大人2&子供3人):£14

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4. 訪問前のチェックポイントとアクセス

ロンドン塔と満開のラベンダー

前述しましたが、ロンドン塔は見学する箇所が沢山あり、石畳で勾配もあり歩きにくいところもある為、履きなれた動きやすい靴で訪れるのがおすすめです。

見学の所要時間は、4時間程度が目安となります。

城内には、カフェやキオスクがあり軽食や飲み物が買えますが、繁忙期は非常に混むため持参するのもおすすめです。 

時間があれば、ロンドン塔から徒歩圏内のタワーブリッジシャードバラ・マーケットも訪れてみましょう。

ロンドン塔の最寄り駅

  • 地下鉄:タワーヒル駅より徒歩5分(ディストリクト、サークルライン)
  • DLR:タワーゲートウェイ駅より徒歩5分
  • リバーバス:タワーピア
  • バス:15, 42, 78, 100, RV1

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