ロンドンでクラフトビール!豆知識とこだわりの店まとめ

ロンドンのパブ「The Harp」のカウンター
The Harp

この記事では、ロンドン滞在時にビールを楽しむ際に役立ちそうな豆知識に加え、こだわりのクラフトビールが試せるロンドンのおすすめ店や醸造所を紹介しています。

この記事を参考に様々なビールを試して、お気に入りの一杯を見つけてみてください!

1. 知っておきたいビールの豆知識

パブのテーブルに並んだ2つのビール

イギリスには2000以上ものビール醸造所 (Brewery) があり、ロンドンだけでも150近くの醸造所が存在すると言われています。

そんなビール好きなイギリスの町で見かける「パブ」はイギリス人の社交場でもあり、週末ともなれば、店の外まで溢れた仕事帰りの人々がビールや会話を楽しむ姿が見られます。

各パブでは、独自にセレクトした銘柄のビールが楽しめその種類や味は様々です。

通常、タップ(ビアサーバー)が並ぶバーカウンターにて自分の好きな銘柄を選んで注文、受け取り、精算する仕組みとなっていますが、豊富な種類がある場合、どれを頼めばいいのかわからない…というのは良くあることです。

どのビールが自分好みなのかは様々な種類をとにかく試してみるのが一番ですが、いちいち全てを試していたら肝臓が持ちませんよねw。

ということで、ここからはビールを選ぶ時に役立つ「ビールのタイプ」について解説していくので是非参考にしてみてください。

まず、世界には様々なビールの種類がありますが、そのすべては「ラガー」か「エール」の2つに分けることができます。そして「カスク」か「ケグ」かによってもビールの特徴は大きく異なってきます。

以下より「ラガー」「エール」「カスク」「ケグ」について見ていきましょう。

ラガーとは?

日本でもおなじみで、世界で最もメジャーなビールであるラガー。

ラガービールとは、中世以降に造り始められた「下面発酵」で造られるビールのことです。
5度前後の低温発酵で作られるラガーは、スッキリとしたのど越しが特徴で、大抵のものがゴールデンカラーをしています。

エールと比べ、ラガーは低温に冷やしたもの (3度~8度)を提供されることが多いです。

有名なラガーには、ピルスナー、ボック、シュバルツなどがあります。

エールとは?

エールとは、古くから(中世)のビールの製造方法「上面発酵」で造られるビールのことです。

常温~やや高温で発酵されたビールはフルーティーなアロマのものが多いのですが、色や味は多岐にわたりラガーと比べるとエールの種類はかなり複雑に分かれています。

ロンドンで人気のクラフトビアーにはエールが多い印象を受けます。

エールの中でも、ペールエール (IPA, APA, DPAなど)、スタウト、ポーター、ビター、ゴールデンエールズ、マイルドなどが代表的な種類となります。

カスクとケグ の違い

カスク (Cask) とケグ (keg) とは「樽の名称」で、それぞれの樽の性質を生かした異なる製造過程でビールが出来上がります。

ビールに拘りのある店ではメニューにCaskかKegの表記があることもあり、ビールを選ぶ際に一つの目安になります。

以下に、各樽で作られるビールの特徴を解説していきます。

カスク・ビアー

カスク ビアー (Cask beer) とは、一時発酵後のビールを「カスク」と呼ばれる木製又はステンレスの樽に入れて二次発酵させたビールのことです。

その製造過程では殺菌処理やろ過が行われない為、生きた酵母が深い味わいとアロマを残し、微炭酸となるものが多いようです。

カスクビールは生きた酵母菌がいることから、パブやバーに到着後もなお発酵が進み、それを管理する店の知識や温度管理などが必要となります。

ビールに拘りのある店では、頻繁にビールの温度、色、香りなどの管理が行われています。

ケグ・ビアー

ケグ ビアー(Keg beer) とは、殺菌処理とろ過をした一次発酵後のビールを「ケグ」と呼ばれるステンレス製の樽に入れたビールのことです。

ケグの利用によって、二酸化炭素や窒素が加えられることで酸化を防いだり、その圧力でサーバー(タップ)へビールを送ることができるそうです。

低温で保存されることから、カスクと比べると管理が比較的容易という利点があります。

ポイント

ラガーとエールのそれぞれの性質を考えると「エールはカスク」「ラガーはケグ」で作られるんだと思う方もいると思いますが、「カスクを使ったラガー」や「ケグを使ったエール」も存在します。

パブに行ってビールを注文する際には「エール」「ラガー」「カスク」「ケグ」のそれぞれの特徴を参考にオーダーしてみましょう!

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2. ビールのサイズと値段について

カウンターに並ぶ1パイントのビールとハーフパイントのグラス

英国のビールは、「パイント」と呼ばれるヤード・ポンド法における体積の単位が使われています。

  • 1パイント=568 ml
  • ハーフパイント=284 ml

ワンパイント (1 pint)、ハーフパイント (Half pint) はどのパブでも用意しているサイズとなります。

ビールにこだわりがあり様々な種類を豊富に取り揃えている店では、トゥーサード (1パイントの3分の2の量) や ワンサード (1パイントの3分の1の量) の販売を行っている店も多いです。

因みに、ビールだけでなく「サイダー」と呼ばれる英国で人気のリンゴのお酒もパイント単位で注文できます。

1パイントの(銘柄)をください。

Can I have a pint of(銘柄)please?(キャナイ ハブ ア パイント オブ (銘柄)プリーズ)

1パイントの値段は、平均して5ポンド前後といった所ですが、パブのチェーン店であるウェザースプーンでは格安で大手ビールメーカーの生ビールが楽しめます。種類もそれなりにあるので、気軽に安く飲みたい方は是非利用してみましょう。

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こだわりのビールが味わえるお勧め店11選

ロンドンビアーファクトリーの外観

ロンドンに星の数ほどもあるパブの中でも、ビールにこだわりのある店舗を厳選して紹介していきます!

殆どの店で試飲をさせてくれる為、気になるものがあったらスタッフに訪ねてみましょう。

(銘柄)を試飲させてもらえませんか?

Can I try a bit of (銘柄) ?  キャナイ トライ ア ビット オブ(銘柄)?

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The Harp

ロンドンのパブ「ザ ハープ」の外観

トラファルガー広場の近くに位置し、観光客も気軽に立ち寄りやすい立地にある大人気パブ「ザ ハープ」。

小さな店内のカウンターには、多くのタップ(サーバー)が並び、何百の銘柄のコースターが張り付けられた壁や味のある伝統的な内装がいい感じのパブです。

カスクエールを豊富にそろえる店として特に有名で、ロンドンの人気醸造所のビールも味わうことができます。
カスクビールの管理は徹底しており、CAMRA(イギリスの伝統エールやサイダーを促進する団体)も認める折り紙付きのパブです。

なかなかお目にかかれない伝統的な製法で作られた、元祖英国のサイダー(リンゴ酒)も楽しめます。

The Harp 公式ウェブサイト(英語)

住所:47 Chandos Place, WC2N 4HS

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The Holborn Whippet

ホルボーンウィペットのビールのメニューとタップ

大英博物館もすぐの駅「ホルボーン」から程近くに店を構える「ザ ホルボーン ウィペット」。
小さくて簡素なインテリアでも、ビールの種類は満足のいく品ぞろえで人気の店です。
バーカウンター内にあるレンガの壁から飛び出す沢山のタップ(ビールサーバー)が目を引きます。

常時15種類ほどあるCaskとKegビールは、イギリスのビールだけでなくドイツの醸造所のものもあります。
度々ラインナップが変更される為、何度訪れても新しいビールに出会えます。

軽食も提供しており、夜は仕事帰りの人などで賑わいます。

The Holborn Whippet 公式ウェブサイト(英語)

住所:Sicilian Avenue, London, WC1A 2QH

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The Old Fountain

東ロンドン、オールドストリート駅から程近くにある家族経営のパブ「The Old Fountain」。

常時20種類ほどのタップがあり、英国の人気クラフトビール醸造所 Dark Star, Tiny Rebel, Siren, Kernel and Redemption などのビールに加え、ボトルに入ったクラフトビールも多く取り扱われています。

フードメニューも充実しておりサンデーローストが人気。
おしゃれなルーフテラス席もあります。

The Old Fountain 公式 Twitter(英語)

住所:Baldwin Street, EC1V 9NU

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Mother Kelly’s

マザーケリーズの店内

映画「007」で登場する英国秘密情報機関 MI6の本部の向かいに位置する店。
Vauxhall(ボクソール) 駅から徒歩5分の線路の高架下にある、お洒落でカジュアルなビアーバーです。

バーカウンターには常時30以上のタップ(ビアサーバー)があり、様々なクラフトビールが楽しめる超人気店となっています。
常時、50種類以上のボトルのクラフトビールも販売されています。

オーダーする際にはメニューにかかれた銘柄の番号を伝えればオッケーです。
1パイント、ハーフパイント(1/2)の他に、トゥーサード(2/3)、ワンサード(1/3)のサイズでの注文もできます。

ベスナルグリーンとストーク ニュートンの全3店舗を展開しています。

Mother Kelly’s 公式ウェブサイト(英語)

住所:76 Albert Embankment, London, SE1 7TP

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The Euston Tap

ユーストンタップの外観

ユーストン駅の目の前、ユーストン・スクエアガーデンズに佇む石造りの建物が特徴的なバー「ザ ユーストン タップ」。

一見、中にバーがあるとは思えないような一風変わった佇まいのこの建物は、昔は駅の案内所だったそうです。道路を挟んで2つの建物が向かい合って建っており、時折、ロンドンバスが通り過ぎます。

西側の建物では30種類ほどのビール、東側の建物ではワインとサイダーを中心に販売されています。生ビールの他、世界中から集められた150種類もの瓶ビールも楽しめます。

店内のカウンター席の他、2階席と外の席もあり。

ユーストン駅を利用する時、電車待ちの時間にちょっと一杯!というのもいいですね👍

The Euston Tap 公式ウェブサイト(英語)

住所:190 Euston Rd, NW1 2EF

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バーモンジー・ビアーマイルの醸造所

地図のバーモンジーエリア

ジュビリーラインのロンドンブリッジ駅の次の駅「バーモンジー (Bermondsey)」は 、ロンドンのクラフトビール界を代表する醸造所が密集する「Bermondsey Beer Mile」としてクラフトビール通に知られています。

これらの醸造所では、ビールだけでなくサイダー(リンゴのお酒)が作られている所もあり、鉄道の高架下のアーチ部分を利用してバーとして営業している所も多いです。

2019年9月時点では、高架沿いにおよそ15店舗ほどのバーや醸造所がありますが、それぞれの店の距離は程よく離れており、静かな夜道の中に突如として現れる賑やかでおしゃれな酒場の数々に秘密の洞窟探しをする様なワクワク感があります。

訪れる客はビール通に加え流行に敏感な若者が多く、醸造所らしからぬファッショナブルなインテリアの店内は音楽や人々の話声で溢れています。

店内には、実際にビール造りに使われているケグやカスクの樽、巨大なビアタンクを間近に見れることも多く、実際にその場所で作られていることを実感しながらビールが堪能できます。

以下より、バーモンジーの醸造所&バーのお勧め4店舗を紹介していきます。

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London Beer Factory

ロンドンビアファクトリーの中の様子

2014年にエド&シム サイモン兄弟が始めたクラフトビールの醸造所。
レンガ造りの壁際には大量の木樽が並び、店の後方にはビアタンクや保管室なども見ることができます。

カウンターには常時30ほどのタップが並んでおり、LBF自らのバラエティーに富んだビールに加え、他の醸造所のビールやサイダーもあり様々な味を飲み比べることができます。

軽食の販売あり。

テーブル席も沢山ある為、ゆっくり楽しめます。

営業時間:月~金 9:00 – 17:00(土日定休)

Twitter @LNDBEERFACTORY

London Beer Factory 公式サイト

住所:Bermondsey SE1 2XN

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Hawkes Cidery & Taproom

ホークス タップルームの店内

伝統的なサイダーに革新をもたらそうと独自のクラフトサイダー造りに熱心な醸造所。
Hawkes のロゴマークでもある「リンゴの葉の付いたスカル」が印象的。

程よい明りを利用した店内は居心地がよく、美味しいお酒に話も弾みます。

Hawkesのサイダーが中心となりますが、他の醸造所のビールや期間限定で他社のサイダーも数種提供されています。

軽食もあり。

営業時間

  • 水木 16:00 – 23:00
  • 金 12:00 – 23:00
  • 土 11:00 – 23:00
  • 日 11:00 – 18:00

Twitter @wearehawkes

Hawkes Cidery & Taproom 公式サイト

住所:Bermondsey SE1 2HQ

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Brew by Numbers (BBNo.) 

ブリューバイナンバーズ(BBNo)の店内

2010年、中国でのロッククライミングツアーに参加したのをきっかけに知り合った「トムとデイブ」が始めた醸造所「ブリュー・バイ・ナンバーズ」。

ロンドンのクラフトビール界の先駆けとも言われるBBNo.は、他の醸造所に大きな影響を与え続けている人気店で、これまでに造りだしてきたビールは350種類以上に上ります。
店名からも分かるように、各ビールには「名前」ではなく「ナンバー」がつけられています。

ベルギースタイルのビールや IPA が人気で、「週末に限り」テイスティングルームで様々なタイプのビールを味わうことができます。

営業時間

  • 金 17.00-22.00
  • 土 11.00-20.00
  • 日 12.00-18.00

Twitter @BrewByNumbers

BBNo. 公式サイト

住所:Bermondsey SE16 3RA

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The Kernel Brewery

 
 
 
 
 
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2010年頃(推測)よりバーモンジーの高架下で醸造所をはじめたカーネル。

カーネルが醸造所をはじめなければ、現在のBermondsey Beer Mileは存在しなかったという程の重要な醸造所。

以降、他の醸造所がオープンし始めても絶え間なく人で溢れる人気店でありましたが、現在はオーナーの意向により営業時間は急激に短くなり、醸造所で販売されるビールはボトルのみとなっています。
この販売スタイルは他のクラフトビール醸造所と比べると個性的で、オーナーの職人気質を感じさせます。

ビールのクオリティ自体は他のどの醸造所をもしのぐ高さで、その独特な個性はビールの味やボトルのデザインにも現れていると思います。

ロンドン市内の多くのパブやバーには、タップから注がれるKernelの生ビールが楽しめる場所が多くあります。販売店はKernel Brewery公式サイトのマップでチェックできます。

営業時間:土曜日 9:00 – 14:00 ボトル販売のみ

Twitter @kernelbrewery

The Kernel Brewery 公式サイト

住所:Bermondsey SE16 3SF

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